今回の美男美女パート担当の二人(笑)
それぞれ、たくさん苦労されつつ役作りに励み、努力の結果、いまや大人の洗練された空気が漂います。
お二人ともフリーの役者さん。
そしてお二人とも、音楽活動でも活躍されている点が共通点。
チエミニさんは、ジャズシンガーさん(あ、でもポップスでもアニソンでもなんでもお上手)。
本当に歌がお上手なのはもちろんのこと、チエミニさんの歌には、気持ちがあるのです。
チエミニさんの、純粋で繊細で素直で、でも懐の深い大きな大きな心が、歌の伝えたい気持ちや風景を本能的に感じとり、それを何倍も美しく、大きく、豊かに聴いている人の心に届けてくれます。
本当に感覚的な才能に優れている人。そのうえに、ものすごく真面目で努力家であることが、その才能に磨きをかけています。
そんなチエミニさんは、第一回宇野重吉演劇祭上演作品『アラル海鳥瞰図』で初舞台を踏みました。この宇野重吉演劇祭には大きな縁がある方です。
今回は、みんなをとりこにしてしまう若い後妻エレーナ役。
「そんな役やれる人が福井にいるのか?」と思っていたけれど、チエミニさんは美しいです。きちんとエレーナにはまっています。それは、姿が美しいのはもちろんのこと、心の美しさが表面ににじみ出ているからだと思います。
誰がやっても難しいと思われるこの役に、本当に、一生懸命取り組んでいたチエミニさん。きっと本番では、その努力は報われると思います。だってこの人ほど即興に強い人はいないんですもの(笑)
田所さんは、福井では有名なフリーの役者さん。いろいろなお芝居に引っ張りだこです。
ラジオのパーソナリティーとしても有名ですね。そう、あの自然を愛する番組です(笑)
田所さんがたくさんのお芝居に呼ばれるのはなぜか。
もちろんまず一つは、その演技力。どんな役でも深く探究し、リアリティーを持って表現できる方だと思います。そして、演出家の家高先生から、「ぜひ一緒にやりたい」と言わしめた、その色気。どんな役をやらせても、色気がある。それは、田所さんが普段からいろいろなことを考え、感じ、生きてきた道のりが、深みを持ってキャラクターに陰影を持たせているのだと思います。
もう一つは、その真面目さ。この人、すごい真面目だと思います(笑)おちゃらけた演技とかがすごく好きでいらっしゃるし、道化役もすごくお上手ですが、見てておもしろくなるくらい真面目で誠実。そこが共演者や演出からの信頼感につながっているのでしょうね。
そして、面倒見の良さ。年下の役者たちのこともよく気にかけてくださり、若手には兄貴的な感じで慕われています。たまに、若手から「食事をおごってください」とからまれることもありますが(笑)、それにも嫌な顔をせず笑ってくれるし、落ち込んでいる後輩がいると励ましてくれる、優しい人です。
でも、ご本人が何より少年の心でいらっしゃるので、大人に徹しきれず、そこがみんなから愛される可愛げでもあるのでしょう。
バンド活動もされており、ボーカルとしても表現の世界に挑んでいらっしゃる、生粋の表現者です。
さて、今回の役アーストロフは、イケメンの医者という難役でした。
ご本人もだいぶ悩んでいらっしゃいましたが、イケてるかどうかはお客様のご判断にお任せするとして(笑)、努力の結果、さわやかな好男子を生み出せたと思います。
劇場での、チエミニさん演じるエレーナと、田所さん演じるアーストロフの大人のやり取りに、どうかドキドキしてください!!!